REAL TALK
技術を軸に、いくつもの未来を描いていく。
「技術系」の職種は土木、建築、電気、車両と複数の職種に分かれています。同じ職種で入社しても、その仕事もキャリアも一つではありません。今回集まったのは、土木・建築で入社した社員3名。保線の現業で経験を重ねるMさん、建築を軸に3度の産休・育休を経験しながらキャリアを築いてきたSさん、技術系総合職第一期生として建築から商業開発、鉄道施設の計画、まちづくり、用地まで幅広い仕事を経験してきたYさん。世代も、職種も、歩んできた道も違う3人に、仕事の面白さから忘れられないプロジェクト、働き方、これからのキャリアまで聞きました。話してみると、同じ技術系でも三者三様。でも、その根っこには共通するものもあるようです。
Talk member
Yさん/ 2007年入社
課長|総合職・建築
技術系総合職の第一期生。建築からキャリアをスタートし、行政への出向、グループ会社での商業開発、鉄道施設の計画などを経て、現在は用地部門へ。グランエミオ所沢の開発では、設計だけでなく事業計画にも携わった。建築を軸に、領域を越えてキャリアを広げてきた2人の先輩的存在。
Sさん/ 2012年入社
主任|専門職・建築
施設工事事務所や営業設備部門などで、建築を軸にさまざまな仕事を経験。「空間づくりをとおして人の日常をより快適によりハッピーに変えていく」を仕事のポリシーにしている。3度の産休・育休と復職も経験。現在は4人の子どもを育てながら、自分らしいキャリアを歩み続けている。
Mさん/ 2020年入社
主任技術員|専門職・土木
保線所、保線機械所などを経て、現在も保線の現業で勤務。線路の安全・安心を守るため、工事や現場の管理、関係部署・協力企業との調整などを担う。所沢構内分岐器交換工事などを経験し、技術者として成長中。将来は、まだ女性が少ない保線の現業職場で管理職になることを目指している。
CHAPTER 01
まず、皆さんが技術の道を選んだきっかけから
教えてください。
Sさん
私は古い家などをリフォームするバラエティ番組が好きだったんです(笑)。家を変えることで、その人の困りごとが解決されて、生活が豊かになる。それを見て「建築の仕事っていいな」と思ったのが最初でした。就職活動では、もっと多くの人の日常を快適にできる仕事がしたいと思うようになって。住宅ならそこに住む人だけですが、鉄道なら毎日たくさんの人が利用しますよね。それで鉄道業界に興味を持ちました。
Yさん
私も大学で建築を学んでいました。ただ、「建築一筋でいくぞ」というより、建物だけでなく街全体に興味があったんです。就職活動では不動産デベロッパーや私鉄を見ていました。西武鉄道に決めた理由の一つは、人でしたね。私は面接が苦手だったんですけど、西武の採用担当の方や面接官はすごく話しやすくて。
Sさん
分かります。
Yさん
他社では緊張して、なかなか自分を出せなかったんです。でも西武では一番自然に話せた。「ここなら合うかもしれない」と思いました。
Mさん
私は中学生の頃から土木・建築系に興味があって、高専(高等専門学校)に進みました。西武鉄道には同じ高専の先輩も多く、OB・OGから仕事や働き方について聞く機会がありました。夜勤のことも含めて具体的に教えてもらえたので、両親も安心していました。
入社してから、「思っていた仕事と違う」と
感じたことはありましたか?
Mさん
ありました。入社前は自分が線路を直したり、現場での作業をすると思っていました。でも実際には、工事や現場を管理したり、社内外の人と打ち合わせをしたり、作業する方に指示を出したり確認したりすることが多くて。思っていた以上に、人と関わる仕事でした。
Sさん
建築も同じですね。自分たちで建物をつくるわけではなくて、施工会社の方や社内の電気、運輸など、本当にいろいろな人と一緒に仕事を進めていきます。
Yさん
私も入社前は、鉄道会社の建築だから「駅に関わる仕事」というイメージが強かったです。でも入ってみると全然違いました。駅だけじゃなく、従業員が働く空間もあれば、沿線開発や駅ビル、土地に関わる仕事もある。私自身、今は用地の仕事をしていますから。
Mさん
建築から用地まで行くんですね。
Yさん
行きました(笑)。建築の仕事も、建物のことだけを考えていればいいわけではありません。設計会社などとやり取りしながら、社内外のさまざまな関係者と調整して、プロジェクト全体を前に進めていく。実際には、人との調整に使う時間もかなり多いんです。
Sさん
そうそう。技術系って聞くと、一人で専門知識を使って黙々と仕事をするイメージがあるかもしれないですけど、実際はむしろ人と話すことが多いですよね。
CHAPTER 02
これまでの仕事で、
自分にとって転機になったものはありますか?
Mさん
私は所沢構内で担当した分岐器交換工事です。分岐器は、列車が走る線路を別の方向へ切り替える設備なんですけど、交換するとなると保線だけではできません。運転部門、駅管区、電気部門など、いろいろな部署との調整が必要になります。工程も考えないといけないし、品質も守らないといけない。それぞれの部署の事情もあるので、自分たちの都合だけで「こうしてください」とは言えないんです。最近も電気部門の方と打ち合わせをした時に、相手の工事内容を十分理解しないまま、こちらからお願いしすぎてしまったことがあって。それで改めて、「相手が何をするのかまで理解して仕事をしないといけない」と思いました。
Sさん
そこは建築も一緒ですね。私も、仕事の考え方が大きく変わった工事があって。航空公園駅の外壁工事です。通常なら仮設足場を組んで施工するところを、高所作業車を使う方法に変えたんです。
Mさん
どうして変えたんですか?
Sさん
駅って、工事中もお客さまが使いますよね。仮設足場を組むと通行への影響もありますし、住宅が近ければ騒音も気になります。落下物のリスクも考えないといけない。「今までこうしてきたから今回も同じ」ではなくて、お客さまや近隣の方まで考えたら、別の方法があるんじゃないかと思ったんです。実はそれまでの私は、わりと「敷かれたレールを走っている」感覚があったんです。過去の事例を参考にしたり、施工会社や先輩から知恵をもらったり。それも大切なんですけど、このままだと自分で判断する力が身につかないんじゃないかというモヤモヤもあって。
Yさん
自分で考えて、変えてみようと思ったんですね。
Sさん
そうなんです。安全・安心を考えると、前例を踏襲する方が守られているような気もする。でも、安全を守りながら挑戦することもできるんじゃないかと思って。工法やコストを比較しながら、高所作業車を使う方法を考えました。それと、この仕事の考え方にはもう一つ原点があります。入社1年目の頃、私は本当に「何が分からないのかも分からない」状態でした(笑)。学生時代に建築を勉強していたのに、現場では専門用語が飛び交って、全然ついていけなくて。そんな時、上司から建築担当の仕事には「安全管理・工程管理・品質管理・コスト管理」という4本柱があると教えてもらったんです。「何年目くらいにはここまでできるようになろう」という目安も示してもらって、それまでの「何をすればいいか分からない」が、「ここを目指せばいい」に変わりました。その後、外壁工事を経験して、私はそこに勝手にもう一本足しました。それが「お客さま目線」です。技術的に正しいだけじゃなくて、その先にいる人がどう感じるかまで考えたい。それはずっと大事にしています。
Mさん
仕事をしながら、自分なりの軸ができていったんですね。
Yさん
私の場合は、逆にそれまで身につけたものが、全然違う仕事でつながった経験があります。グループ会社へ出向していた時に、グランエミオ所沢の第一期開業まで携わりました。それまで鉄道の建築をやっていた私にとっては、全然違うジャンルでした。設計だけでなく、事業としての収支、テナント構成、運営なども考える。「建物をつくればいい」という仕事ではなかったんです。
Mさん
収支までやるんですか?
Yさん
やりました。しかも鉄道施設と一体になった駅ビルなので、鉄道側の関係者もいれば、商業施設側の関係者もいる。その両方をまとめながら、決まっている開業日に向かって進めないといけない。プレッシャーはありましたけど、みんなで協力して開業までたどり着けた時は大きかったですね。
Sさん
それは達成感ありますね。
Yさん
その時、「鉄道の建築をやってきた経験が、ここにつながるんだ」と思いました。鉄道側の事情も分かる。建築も分かる。その両方を知っていたから、関係者をつなぐことができた。経験って、一見違う仕事に移っても、ちゃんとつながっていくんだなと感じました。
CHAPTER 03
3人のお話を聞いていると、
専門知識だけでなく、
人との関わりや
自分で考える力も大切そうですね。
Sさん
そうですね。専門知識はもちろん必要ですけど、それだけでは仕事は進まないです。
Mさん
私もそう思います。現場には自分よりずっと経験の長い方もいますし、入社した頃は年上の方とどう話せばいいか難しくて。でも電話した時に仕事以外の話をちょっとしたり、分からないことを聞いたりしているうちに、だんだん話しやすくなりました。
Yさん
日頃の関係って大事ですよね。
Sさん
何かお願いする時だけ話しかけても、なかなか難しいですからね。
Mさん
あと、保線って「決められたことを守る仕事」というイメージもあると思うんですけど、自分から提案できることもあります。環境に配慮した燃料を使える保線機械を、現場ですぐ分かるようにしたいという話があって、イラストを提案したんです。それが実際に保線機械のラッピングになりました。安全・安心を守るのは絶対ですけど、その中でも「もっとこうしたらいいんじゃないか」と考えられるんだなと思いました。
Sさん
私はそれ、大事だと思います。安全・安心と挑戦って、最初は反対に見えるんです。でも、ちゃんと調べて、比較して、安全を確保したうえで変えていくことはできる。
Yさん
それに西武鉄道は、技術を軸にしながら違う領域を経験できるのも面白いと思います。私も建築で入社して、行政への出向、グループ会社での商業開発、鉄道施設の計画、今は用地です。
Mさん
本当に毎回違いますね(笑)。
Yさん
違います(笑)。でも、配属先の部署で身につけたものが、そのたびに次の仕事につながっている感覚があります。「技術職だからこの仕事だけ」と決まっているわけではない。技術という軸があるからこそ、違う領域にも入っていける。それは西武鉄道で働く面白さの一つだと思っています。
CHAPTER 04
仕事を続ける中では、ライフステージによって
働き方が変わる時期もあります。
SさんとYさんは、出産・育児も経験されていますね。
Sさん
私は3回、産休・育休を取っています。子どもは4人です。5年くらいの間に、産休・育休と復職を繰り返していた時期がありました。やっぱり復職すると、会社の時間は進んでいるんですよ。同期が上司になっていたり、自分が登用試験を受ける時に後輩と一緒になったり。
Mさん
それはちょっと焦りませんでした?
Sさん
私は意外と大丈夫でした。もともと「キャリアは十人十色だろうな」と思っていたので。「私は私」と思えたというか。焦ったり、引け目を感じたりすることなく仕事に戻れましたし、産休・育休をキャリアのマイナスだとは思っていないですね。
Yさん
人と比べても仕方ないですからね。
Sさん
そうなんですよ。今は4人のうち3人がまだ保育園児なので、突然「熱が出ました」と連絡が来ることもあります。だから、出社しないとできない仕事と在宅でできる仕事を考えて、週3日出社、週2日在宅くらいを基本にしています。
Mさん
かなり使い分けているんですね。
Sさん
制度があるだけじゃなくて、周りの理解も大きいですね。
Yさん
私も子育ての時期によって働き方は変えてきました。ずっと同じ働き方をしなきゃいけないわけではないと思っています。その時の状況に合わせながら続けていけばいい。
Mさん
私は保線の現業職場なので、お二人とは働き方も結構違いますね。夜勤もありますし。通常なら月2回くらいですが、工事がある時期には週1回くらいになることもあります。
Sさん
冬、大変じゃない?
Mさん
めちゃくちゃ寒いです(笑)。でも、夜間だからこそできる仕事もありますし、自分たちが保守した線路を、翌朝からいつも通り電車が走っているのを見ると、「ちゃんとつながったな」と思います。
Yさん
毎日走っている電車の当たり前を守っているんですよね。
Mさん
そうですね。普段はなかなか意識されない仕事かもしれませんが、自分たちの仕事が列車の安全・安定運行を支えている。そこは保線の仕事ならではのやりがいだと思います。
CHAPTER 05
仕事内容も働き方も三者三様ですが、
改めて皆さんが感じる「西武鉄道で働く魅力」を
教えてください。
Yさん
私はやっぱり、一番の魅力は、西武グループの事業領域の広さだと思います。私自身、建築職として入社し、これまで多様な部署を経験してきましたが、そのたびに社内はもちろん、グループ内の様々なセクションと連携してプロジェクトを進めてきました。色んな分野のプロフェッショナルが協力し合って、一つの事業を形にしていく。そのチームプレーの面白さは、西武グループならではの魅力だと思います。
Sさん
私は「挑戦させてもらえること」と「人」ですね。入社後の何も分からなかった私に、上司が仕事の道筋を示してくれた。そこから自分なりの仕事のポリシーができて、今度は自分が周りに返す立場になってきた。だから私は、管理職になっても「自分が楽しむこと」と「自分からギブすること」は大事にしたいです。部下に「やってください」とお願いするだけじゃなく、自分も相手に何かを返す。そうすると、また相手からも返ってくる。
Yさん
Sさんらしい(笑)。
Sさん
そうですか?(笑)でも本当に、楽しそうに仕事している人がいた方がいいじゃないですか。だから、私はこれからも本気で仕事を楽しみたいですね。目の前の仕事も、本気で取り組んで初めて分かる面白さがあると思っています。
Mさん
私は、お二人みたいにまだ長いキャリアがあるわけではないですけど、やってみたいことはあります。
Sさん
何?
Mさん
いつか、保線の現業職場で管理職になりたいです。保線はまだ女性が少なくて、女性の管理職もいません。だから、自分がそういう立場になって、「女性でも保線の現業職場でここまでできるんだ」という姿を見せたいです。
Sさん
ぜひなってほしい!
Yさん
いいですね。
Mさん
頑張ります(笑)。
Yさん
私は今、管理職という立場になったので、自分自身が仕事をするだけではなく、人を育てることも大事になっています。これまでいろいろな部署を経験してきたので、その経験を沿線の価値を高める仕事につなげていきたい。それと、技術力をどう次の世代につないでいくか。そこはしっかり取り組んでいきたいですね。
Sさん
私も後輩に伝えていかないと。
Mさん
私はまず、いっぱい聞きます(笑)。
Yさん
それでいいと思います(笑)。
これから技術の世界へ進む皆さんへ
Yさん
最初から、
将来を一つに
決めなくてもいい。
私は建築からスタートしましたが、行政への出向、グループ会社での商業開発、鉄道施設の計画、用地と、本当にさまざまな仕事を経験してきました。グランエミオ所沢の開発では、それまで鉄道建築で培ってきた経験が、まったく違う仕事の中で役立つことも実感しました。入社した時には、今の自分のキャリアは想像できていませんでした。だから、学生の皆さんも最初から将来を決め切らなくていいと思います。技術という自分の軸を持ちながら目の前の仕事に取り組んでいけば、その経験が次につながり、思ってもみなかった仕事や可能性に出会えると思います。
Sさん
キャリアは十人十色。
だから、自分の仕事を
本気で楽しんでほしい。
入社した頃は「何が分からないのかも分からない」状態でしたし、3回の産休・育休を経験して、復職したら同期が上司になっていたこともあります。でも、誰かと同じ道を、同じ速さで進む必要はないと思っています。目の前の仕事に本気で取り組めば、自分なりの考え方や大切にしたいものが少しずつ見えてくる。私にとっては、それが「安全管理・工程管理・品質管理・コスト管理・お客さま目線」という5本柱になりました。これからも、周りに自分からギブすること。そして何より、自分自身が仕事を楽しむこと。それは管理職になってもずっと大切にしていきたいです。
Mさん
分からないことは、
現場で一つずつ
自分のものに
していけばいい。
私も入社前は、保線の仕事を今のようにはイメージできていませんでした。実際に働いてみると、線路の知識だけではなく、いろいろな部署や現業の方と関わりながら仕事を進めることが大切だと分かりました。分からないことがあれば、先輩や周りの人に聞けばいい。私自身もそうやって、一つずつできることを増やしている途中です。保線はまだ女性が少ない職場ですが、だからこそ、いつか自分が管理職になって、次の人に「女性でもこんなキャリアを歩めるんだ」と思ってもらえる存在になりたいです。
子育てとキャリアに関する社内制度